虫刺されとは？

虫刺されは、蚊、ブヨ、アブ、ハチ、ダニ、ノミ、毛虫、ムカデなど、様々な虫に刺されたり噛まれたりすることで、皮膚に炎症が起こる状態です。多くの場合は、かゆみや赤み、腫れなどの比較的軽い症状で済みますが、アレルギー反応が強く出て、全身に蕁麻疹が出たり、息苦しくなったりすることもあります。また、掻き壊しによって細菌が侵入し、「とびひ」などの二次感染を引き起こすリスクもあります。虫刺されの症状は、その原因となる虫の種類によって異なるため、適切な対処と、必要に応じた専門医の診断が重要です。

虫刺されの主な原因と誘発要因

虫刺されの症状は、虫が皮膚に注入する唾液や毒液に対するアレルギー反応によって引き起こされます。

蚊、ブユ、アブ、ノミ

吸血の際に唾液を注入することで、アレルギー反応が起こります。特に、ブユやアブに刺されると、強い腫れや痛みを伴うことがあります。

ハチ

毒液を注入されることで、強い痛みや腫れ、かゆみが起こります。

毛虫

毒のある毛が皮膚に刺さることで、赤くブツブツとした発疹や強いかゆみが広範囲に広がります。

ダニ

噛まれた部分が赤く腫れて、非常に強いかゆみを伴います。

アレルギー体質の方や、過去に同じ虫に刺されたことがある方は、免疫反応が過剰になり、症状が強く出やすい傾向にあります。また、掻き壊してしまうことで、症状が悪化し、治りが遅くなることもあります。

虫刺されの治療法

虫刺されの治療は、まず患部の炎症とアレルギー反応を抑えることが中心となります。当院では、虫の種類や症状の重症度を正確に診断し、患者さんに合った最適な治療法をご提案します。

外用薬

炎症やかゆみを抑えるためのステロイド外用薬を処方します。症状に合わせて、塗り薬の強さを調整します。

内服薬

かゆみが強い場合や、広範囲に症状が広がっている場合は、かゆみ止めの飲み薬を処方します。

二次感染の治療

掻き壊しによって細菌感染を併発している場合は、抗菌薬の軟膏や飲み薬を使用します。

当院は皮膚科専門医が常駐しており、虫刺されの症状を正確に診断し、重症化を防ぐための治療を行います。また、お子様の虫刺されや、どの虫に刺されたか分からない場合でも、安心してご相談いただけます。

日常生活でできること・セルフケアのポイント

虫刺されの症状を和らげ、悪化させないためには、ご家庭での適切なケアが非常に重要です。

冷却

刺された直後は、患部を冷たいタオルや保冷剤で冷やすと、かゆみや炎症が和らぎます。

掻かない

掻いてしまうと、症状が悪化したり、細菌感染を起こしたりします。掻き壊しを防ぐために、爪を短く切っておきましょう。

清潔に保つ

患部を清潔に保つことで、細菌感染を防ぐことができます。

やってはいけないこと

症状がある部分に、民間療法や、原因不明の薬を塗布することは避けましょう。

よくある質問（FAQ）

• 市販のかゆみ止めを塗っても効かないのですが、どうすればいいですか？

  市販薬は、かゆみを一時的に抑える効果はありますが、炎症そのものを鎮める作用は弱い場合があります。症状が強い場合は、炎症をしっかり抑えるためのステロイド外用薬が必要となりますので、ぜひご相談ください。

• 虫に刺された跡がいつまでも残り、茶色くなっています。治りますか？

  虫刺されの炎症が強く、長引くと、炎症後色素沈着といって、茶色い跡が残ることがあります。時間の経過とともに薄くなりますが、気になる場合は、皮膚科での治療によって改善できる場合があります。

• ハチに刺された場合はどうすればいいですか？

  ハチに刺された場合、特にアナフィラキシーショック（全身の蕁麻疹、呼吸困難、意識障害など）の症状が出た場合は、すぐに救急車を呼んでください。ハチ毒はアレルギー反応が強く出ることがあり、非常に危険です。

• 毛虫に刺されたのですが、どうすればいいですか？

  毛虫の毛は目に見えないほど細かく、皮膚に刺さったままになっていることがあります。セロハンテープなどを患部に貼り、そっと剥がして毛を取り除く応急処置が有効です。その後、流水で洗い流してください。

• 虫刺されと、他の皮膚炎（アトピー性皮膚炎など）の見分け方を教えてください。

  虫刺されは、通常、刺された部分に集中して症状が出ますが、広範囲に症状が広がったり、他の部位にも同じような発疹が出たりする場合は、他の皮膚疾患の可能性もあります。自己判断が難しい場合はご相談ください。

このような場合はご相談ください

• 症状が広範囲に広がり、かゆみが強い
• 水ぶくれができたり、ジュクジュクしたりしている
• 掻き壊しによって、皮膚が赤く腫れたり、熱を持ったりしている
• 刺された後、発熱や倦怠感など全身症状を伴う
• どの虫に刺されたか分からない

虫刺されは、適切な治療をせずに放置すると、思わぬ症状の悪化を招くことがあります。不安を感じたら、どんなに些細なことでもお気軽にご相談ください。