しもやけ（凍瘡）とは？

しもやけは、医学的には「凍瘡（とうそう）」と呼ばれる、冬の寒さによって血行が悪くなることで起こる皮膚の炎症です。主な症状は、手足の指、耳たぶ、鼻先、頬などが赤紫色に腫れ上がり、かゆみや痛みを伴うことです。暖まるとかゆみが強くなるのが特徴で、ひどくなると水ぶくれができたり、皮膚がただれたりすることもあります。しもやけは、気温が5℃前後で、日中の寒暖差が激しい時期に起こりやすいとされています。特に、手足の先は体の末端にあり、寒さによる血行不良の影響を受けやすいため、しもやけができやすい部位です。一度できると毎年のように繰り返すことが多く、「ただのしもやけだから」と放置すると、症状が慢性化したり、日常生活に支障をきたすほどのつらいかゆみや痛みに悩まされたりする場合があります。予防と早期の適切なケアが非常に重要です。

しもやけの主な原因と誘発要因

しもやけの根本的な原因は、寒さによる血行不良です。私たちの体は、寒さを感じると熱が逃げないように血管を収縮させます。しかし、手足の末端は収縮と拡張を繰り返すことで血行が滞りやすく、うっ血や炎症を引き起こしてしもやけとなります。
以下のような要因が、しもやけを誘発・悪化させます。

寒さと急激な温度変化

外出時に冷えた手足が、室内に入って急に暖められると、血管が急に拡張し、血行不良を悪化させます。

冷えやすい体質

血液循環が悪い方や、低血圧の方、冷え性の方などは、しもやけになりやすい傾向があります。

水濡れ

冷たい水に触れる機会が多い（食器洗い、洗濯、水仕事など）、汗で手足が湿ったまま放置する、といった状態は、体温を奪い、しもやけの原因となります。

締め付け

サイズの合わない窮屈な靴や靴下、手袋、指輪などを身につけることで血行が悪くなり、しもやけができやすくなります。

しもやけの治療法

しもやけの治療は、血行を改善し、炎症とかゆみを抑えることが中心となります。当院では、患者様の症状や生活習慣に合わせて、最適な治療法をご提案いたします。

塗り薬による治療

腫れや赤み、かゆみには、血行促進効果のある塗り薬や、炎症を抑えるステロイド外用薬を処方します。症状がひどい場合には、かゆみ止めの内服薬を併用することもあります。

飲み薬や注射による治療

血行を改善する飲み薬（ビタミンE製剤など）や血管を広げる薬を併用することで、体の内側から血行不良を改善し、症状の緩和と再発予防を目指します。

生活指導

予防と再発を防ぐために、日常生活でできる具体的な対策（温め方、保湿、運動など）を詳しくアドバイスいたします。

「たかがしもやけ」と放置せず、早めにご相談いただくことで、症状の悪化を防ぎ、つらいかゆみや痛みを和らげることができます。しもやけと似た他の病気との鑑別も正確に行いますので、安心してご相談ください。

日常生活でできること・セルフケアのポイント

しもやけの予防と症状の緩和には、日々のセルフケアが非常に重要です。

体を冷やさない

特に手足の末端を冷やさないことが大切です。外出時は厚手の靴下や手袋、イヤーマフなどを着用しましょう。

濡れたらすぐに拭く

手や足が濡れたら、こまめにタオルで拭き、乾いた状態を保ちましょう。汗をかきやすい方も、通気性の良い靴下を選ぶなどの工夫をしてください。

正しい温め方

冷えた手足を温める際は、急に熱いお湯につけるのは避け、ぬるま湯でゆっくりと温めたり、マッサージをしたりして、徐々に血行を促しましょう。

血行を促す

適度な運動や、お風呂で体を温めることも血行促進に繋がります。入浴後は、保湿クリームでやさしくマッサージするのも効果的です。

締め付けない

血行を妨げないように、締め付けの少ない靴下や靴を選ぶようにしてください。

よくある質問（FAQ）

• しもやけと冷え性の違いは何ですか？

  冷え性は体が冷えやすい体質のことを指し、しもやけは冷えが原因で手足の末端などに炎症が起こる病気です。冷え性の方は、しもやけになりやすい傾向があります。

• しもやけは放置しても治りますか？

  暖かくなれば自然と治ることが多いですが、放置すると症状が悪化し、日常生活に支障をきたすほどのかゆみや痛みに悩まされることがあります。また、毎年繰り返すことで慢性化する場合もあります。

• マッサージは効果がありますか？

  はい、マッサージは血行を促すのに非常に効果的です。ただし、患部がひどく腫れていたり、ただれたりしている場合は、刺激を与えすぎないように注意が必要です。

• 子供でもしもやけになりますか？

  毛虫の毛は目に見えないほど細かく、皮膚に刺さったままになっていることがあります。セロハンテープなどを患部に貼り、そっと剥がして毛を取り除く応急処置が有効です。その後、流水で洗い流してください。

• しもやけと、他の皮膚炎（アトピー性皮膚炎など）の見分け方を教えてください。

  はい、お子様は手足の末梢血管が未熟なため、大人よりもしもやけになりやすい傾向があります。お子様のしもやけでお悩みの親御様も、お気軽にご相談ください。

このような場合はご相談ください

• 腫れや赤みがひどく、かゆみや痛みがつらい
• 患部がただれたり、水ぶくれができたりしている
• 市販薬を使っても症状が改善しない、あるいは悪化している
• 毎年しもやけを繰り返しており、予防方法を知りたい

しもやけは、適切なケアをすればつらい症状を和らげ、予防することも可能です。一人で悩まず、どうぞお気軽にご相談ください。患者様のしもやけの悩みに寄り添い、最適な治療とアドバイスを提供いたします。